
通信業界16年目、移動体(モバイル)通信エンジニアとしては13年目の僕が、最高のポケットWi-Fi選びのお手伝いをさせて頂きます。
サービス面だけではなく、技術者目線でのおすすめ根拠やデメリットも、わかりやすく解説しますので参考にして頂けると幸いです。
まず、色々な場所で何度も言っているのですが、僕の考える良いポケットWi-Fiの3大条件は以下です。
良いポケットWi-Fiの3大条件
- 利用料金が安い事
- 使えるエリアが広い事
- 通信速度が速い事
とてもシンプルですが、この3つの条件のうち、どれか一つでも欠けてしまうと人によってはストレスを感じる要因になります。

ポケットWi-Fiのリアルをどうぞご覧ください!
【最初に結論】今一番おすすめなのはWiMAX!
まず結論から言うと、沢山あるポケットWi-Fiの中で今一番おすすめなのがWiMAXです。
さらにWiMAXの中でも、良いポケットWi-Fiの3大条件(料金・エリア・通信速度)を満たせるポケットWi-Fiは、Broad WiMAX(ブロード・ワイマックス)になります。
多くの比較サイトでBroad WiMAXがおすすめされていますが、2021年1月時点では僕の最終回答もBroad WiMAXで間違いないです。(もちろん僕も普段使ってます)

↓の記事でも触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
\まずはエリアを確認しよう!/
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【Broad WiMAX】みんなの評判・口コミは?実際に使って検証してみた!
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人気記事【プロが解説】テレワーク(リモートワーク)に最適なポケットWiFiの選び方
ポケットWi-Fiキャリア別比較表
WiMAXをはじめとする各キャリアのポケットWi-Fiサービスを比較してみましょう。
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料金 | 3,880円 | 4,380円 | 4,880円 | 7,400円 | 7,480円 |
エリア | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
速度 (下り最大) |
1.2Gbps | 988Mbps | 1.2Gbps | 1.2Gbps | 988Mbps |
契約期間 | 2年 | なし | 2年 | 2年 | なし |
容量制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 20GB | 50GB |
上手なポケットWi-Fiの選び方
冒頭で述べたように、良いポケットWi-Fiに欠かせない3大条件は料金・エリア・速度が優れている事です。
これに容量制限や契約期間などの条件を加味して比較していく事になりますが、冒頭でお伝えした、おすすめのポケットWi-Fiが残念ながら全ての人に当てはまるわけではありません。
やはりどうしても、住んでいるエリアや住環境によって、繋がりやすさや速度の面で不利になってしまう場合もあります。
利用したいポケットWi-Fiが提供エリア外の場合は他のプロバイダーを探すことになりますが、選び方のポイントを解説します。

利用料金
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料金 | 3,880円 | 4,380円 | 4,880円 | 7,400円 等 | 7,480円 等 |
料金だけ見るとSoftBank・docomoが高めに設定されていますが、契約期間の縛りが無かったり等、代わりに独自の有利な条件が存在する事も事実です。
また、MNOと呼ばれる(docomo・au・SoftBankなど)大手通信キャリアよりも、大手キャリアの回線を借りてサービスを展開するMVNOと呼ばれる事業者の方が利用料金は基本的に安価です。
また、高額なキャッシュバックを行うプロバイダーもありますが、キャッシュバックの申請手続きが分かりにくかったり、忘れてしまったりでキャッシュバックを受け取れる人は半数以下という実情もあります。
プロバイダー側からすればラッキーな話ですが、僕は、なるべくなら煩わしいキャッシュバックなしで、月額料金が確実に安いプロバイダーを選ぶ方が望ましいと考えています。
また、スマホなどと一緒に契約するとセット割引が適用される場合がありますが、同じ回線を使うキャリアで揃えてしまうと、通信障害が発生した際に完全に通信が遮断されてしまうなどのデメリットもあります。

サービス提供エリア

WiMAXのサービス提供エリアマップ
モバイル通信の提供エリアはdocomoが日本国内では最強と言われています。
これはNTT(旧電電公社)がもともと国営事業として日本全国に通信ネットワークを構築したものを、民営化によりそのまま継承した事が少なからず影響しています。
日本全国にネットワークがあるという事は、それだけ通信基地局の建設も容易ですが、実はau・SoftBank・UQ・Y!mobileも負けていません。
auは、UQWiMAX(UQ コミュニケーションズ社)と、SoftBankは、Y!mobile(Wireless City Planning社)と資本関係にあるため、各社にそれぞれ割り当てられた電波の周波数を相互補完して素晴らしいサービスエリアと通信速度を実現しています。
提供エリアは日々刻々と拡大しているので、詳しい情報は各キャリアのホームページをご確認ください。

Y!mobileとSoftBankのエリア相互補完例
複数キャリアの回線を自動最適化して通信する「クラウドSIM」と呼ばれるサービスも登場しています。
使えるエリアが広い事が特徴です。
通信速度
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速度 (下り最大) |
1.2Gbps | 988Mbps | 1.2Gbps | 1.2Gbps | 988Mbps |
通信速度もポケットWi-Fi選びで重要な指標ですが、各キャリアが発表している最大通信速度を比較して見ましょう。
キャリアが発表している表記はベストエフォートという(保証はしないけど理論上の最大通信速度)となっており、基地局の混雑状況にもよりますが、この最大通信速度が出る事はありません。
あくまでもスペックを計るうえでの参考値としましょう。
またもう一つ重要な点は、ユーザー側の端末の性能によっても速度は大きく左右されるので、最新技術に対応している端末である事が重要です。

HUAWEI製ルーターの速度比較(下り最大) | |
Speed Wi-Fi NEXT W06 (2019年発売) |
1.2Gbps |
Speed Wi-Fi NEXT W05 (2018年発売) |
758Mbps |
Speed Wi-Fi NEXT W04 (2017年発売) |
758Mbps |
Speed Wi-Fi NEXT W03 (2016年発売) |
370Mbps |
Speed Wi-Fi NEXT W02 (2016年発売) |
220Mbps |
通信業界では、日々物凄いスピードで品質改善が繰り返されています。
ルーターの製造メーカーからは、約1年スパンで新モデルが発売されていますが、通信速度は新モデルになればなるほど向上しています。
上の図を見て頂けるととお判りになると思いますが、たった3年で5倍も通信速度向上が行われています。
ですので、快適な通信速度を維持するためには、我々ユーザー側の端末も最新のものを使い続ける事が非常に重要です。
なるべく最新の端末をユーザー側の金銭的負担なしで使えるプロバイダーが、良いプロバイダーと言えます。
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容量制限
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容量制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 〜30GB | 〜50GB |
通信制限はできれば無制限のプランがあるキャリアを選ぶ事が望ましいです。
基本的には、決められた通信容量を超えてしまうと、速度制限に引っかかり当月内は128kbpsというISDNと同じ通信速度に制限されてしまいます。
この場合、当月内は低速のまま我慢をするか、追加でお金を払って容量を購入する事になります。
WiMAX・au・Y!mobileも基本は無制限という扱いになっていますが、厳密には直近3日間のデータ使用量が10GBを超えると、翌日1日だけ1Mbpsに速度制限されます。
ただし、10GBの通信容量を3日で使う事は通常の利用ではなかなか無いのと、128kbpsの速度制限と違い1Mbpsもあれば普通にネット閲覧もYouTubeも観れます。
契約期間
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料金 | 3,880円 | 4,380円 | 4,880円 | 7,400円 | 7,480円 |
契約期間 | 2年 | なし | 2年 | 2年 | なし |
ポケットWiFiの契約期間は2〜3年である事が多いですが、契約期間が短い・もしくは契約期間の縛りがないプランほど、月額料金が高いという傾向があります。
ユーザーにとっては契約期間の縛りはなるべくない方が良いですが、長く使い続ける意思を示す事で割引を受けられるケースが多いです。
長く使い続ける意思が有るなら、なるべく長期の契約を検討してみても良いでしょう。
WiMAXの場合は3年契約をすると、au 4G LTEのエリアを使用するハイスピードプラスエリアモードの使用料金1,005円/月(使った月のみ)が無料になります。
多くのポケットWi-Fiの中で何故WiMAXが強いのか?
WiMAXが強い理由は、使用している電波の周波数にあります。
少し技術的な話になってしまうので簡単に説明すると、
2.5〜6GHzという、現在のスマホが主戦力として使用しているプラチナバンドよりも高い周波数を使用しています。
この高い周波数を使用することによって、データの通り道(帯域幅といいます)を広く取ることができます。
そのためプラチナバンドと比べると理論上、高速大容量の通信が可能になります。
一方で、WiMAXが使用している電波にはデメリットもあります。
周波数が高いと高速通信が可能な反面、電波の直進性が高いため、プラチナバンドと比べると入り組んだ場所(ビルの陰や、田舎、地下鉄の走行中など)には弱いという弱点もあります。
このように場所的に繋がりにくい場合、auのプラチナバンドを使用する通信モード(ハイスピードプラスエリアモード)を利用することによって解消される場合が多いです。
高周波数を利用した高速大容量通信に加え、繋がりやすさを重視するauプラチナバンドを利用する2つの通信モードが利用できるのが強さの秘密です。
WiMAX提供プロバイダーによって何が違うの?

UQコミュニケーションズとWiMAX提供プロバイダの関係
WiMAXの通信インフラを構築・維持管理しているのは、KDDI傘下の「UQコミュニケーションズ」という会社です。
UQコミュケーションズは独自に構築したサービスエリアで「UQ WiMAX」という自社サービスを展開していますが、自社での利用だけではなく、他社企業にもインフラを貸すことで利益を得るというビジネスモデルを行っています。
インフラを借り受けたMVNOは独自のサービスパッケージとして商品展開を行い、UQコミュニケーションズに対して回線使用料を納めます。
この構図を見るとわかるように、どこのWiMAX提供プロバイダーで契約してもサービス提供エリアは同じという事になります。
また、本家UQ WiMAX(MNO)よりもBroad WiMAXなどのプロバイダー(MVNO)の方が利用料金は圧倒的に安いです。
簡単に説明すると、スマホの格安SIMと同じイメージと思って頂いてOKです。
au・docomo・SoftBankのような大手携帯会社(MNO)の料金プランより、LINEモバイルや、楽天モバイルなど(MVNO)の料金プランが安いのと同じ理由です。
また、サービス面では各プロバイダーで独自のカラーを出していますが、なるべく最新のルーターをユーザー側の金銭的負担なく使い続けられるプロバイダーが良いプロバイダーの条件と言えるでしょう。
前述しましたが、快適な通信速度を維持するためには、常に最新のルーターを使い続ける事が重要になるためです。
【おまけ】2020年以降のWiMAXはこうなる!
2021年には東京オリンピックが開催されるため、通信業界では通信環境の整備に力を入れています。
WiMAXの元締めであるUQコミュケーションズは、現在、都市部を中心にWiMAX基地局のアンテナを従来のアンテナから、Massive-MIMOという高性能なアンテナに変更し速度向上を図っています。
Massive-MIMOアンテナは携帯4社(au・docomo・SoftBank・楽天)でも現在、主力技術として基地局に設備投入しているアンテナになります。
このアンテナは従来のアンテナよりも高速大容量の通信が可能で、5G(世代)の通信を支えていく重要な役割を果たすことになります。
さらには、2020年3月に旧タイプのWiMAX(IEEE802.16e)がサービス停止をして役目を終えました。
今までWiMAXに割り当てていた電波の帯域幅(データの通り道)を、WiMAX2+側に割り当てることにより、帯域幅がさらに増え、これまでよりも高速大容量の通信が可能になります。
帯域幅の拡大は順次行われる事になります。
【まとめ】おすすめのポケットWiFiと上手な選び方

良いポケットWi-Fiの条件は「料金・エリア・速度」の3つ全てが優れている事です。
選び方のポイント
WiMAXの特徴
WiMAXの提供エリアを検索してみて提供エリア内であればWiMAXがおすすめ!
- WiMAXは技術的に高周波数帯の電波を使用するため、帯域幅(データの通り道)を広く取れ高速大容量の通信が可能。
- WiMAXはUQ独自エリアに加えて、au LTEのエリアを使用する2つの通信モードで使えるエリアが広い。
- WiMAXは高速大容量な通信ができる反面、電波の直進性が高いためエリアや住環境により繋がりにくい場所も存在する。
- 繋がりにくい場合はau LTE(プラチナバンド)の電波を使う、ハイスピードプラスエリアモードを使用すれば解消される事が多い。

Broad WiMAX(ブロードワイマックス)はUQコミュニケーションズのMVNOで、料金は本家UQ WiMAXよりも安価ですが、サービス提供エリアはUQ WiMAXと同一です。
さらに、20ヶ月(1年8ヶ月)を超えると無料で最新端末に機種変更ができるため、ほぼ恒常的に最新の通信速度でサービスを受ける事ができます。
参考にして頂けると幸いです。
\まずはエリアを確認しよう!/